少しずつ暖かい日が増えてきましたね!気温変化でうちの家族は全員鼻声になってしまいました。。皆さんも風邪には十分気を付けてくださいね。
今日は最近友達の妊婦さんから聞かれた、サプリメントについての話をしていきます。あらかじめお話しすると、企業案件とかでは全くないので、あくまで一般論としてお話させていただきますね。(最後におすすめのサプリメントも紹介しますが、僕には1円も入ってきません!!)
今日お伝えしたいこと
結論から言うと、「葉酸は妊娠前からサプリで補え!カルシウムと鉄、ビタミンB6も補ってあげてもいいかも!他はバランスのいい食事から!!」です。
ひとつずつ解説していきますね。
- 1) サプリメントでの摂取がおすすめの栄養素は!?
- 2) 葉酸について
- 3) カルシウムについて
- 4) 鉄について
- 5) ビタミンB6について
- 6) 栄養素はとればとるほどいいの?
- 7) おすすめのサプリメントは?
- 8) 今日のまとめ
1) サプリメントでの摂取がおすすめの栄養素は!?

前提として、最も大切なことはバランスのいい食事を摂取することです。そうはいってもどうしても食事をサプリメントでの摂取が推奨される栄養素の条件としては、まず妊娠中に重要な栄養素であること、そして食事だけではなかなか十分に摂取できないことが挙げられるでしょう。
この基準を踏まえて、僕がサプリメントでの摂取をおすすめする栄養素は以下の4つです!
- 葉酸
- カルシウム
- 鉄
- ビタミンB6
ではここからは、それぞれの栄養素の役割や重要性について順番にお話ししていきますね。
2) 葉酸について

葉酸というのは細胞が増えるときに欠かせない栄養素です。赤ちゃんがお腹の中で成長するためには、必要不可欠です。特に妊娠初期(妊娠12週まで)に、脳や神経を形成する上で非常に重要となることが知られています。
この時期に葉酸が欠乏することで起こりうる疾患には以下のようなものがあります。
- 二分脊椎:背骨の一部がうまく形成されず、背骨の中を走る脊髄神経の障害をきたす
- 脳瘤:頭蓋骨がうまく形成されず、脳の一部が頭蓋骨からはみ出してしまう
- 無脳症:頭蓋骨が欠損してしまうことで、脳が守られず機能できなくなる
そのため葉酸は妊娠のごく初期、もっと言うと妊娠の1か月以上前からしっかり補充してあげることが重要なんです。具体的には、「妊娠1か月前~妊娠初期には400 μg、妊娠中期以降は240 μg」の葉酸を摂取することが推奨されています。
ただ日本人の平均的な葉酸の1日の摂取量は約200 μgと、必要量の半分程度しか食事から摂取できていないんです。そのため、厚生労働省も「妊娠初期は食品からの葉酸摂取に加えて、いわゆる栄養補助食品(サプリメント)から1日400 μgの葉酸を摂取する」ことを推奨しています。
サプリメントに含まれる葉酸は、食べ物に含まれる葉酸より効率よく吸収されるため、不足している分はサプリメントで補うのがいいですね!特にけいれんに対してお薬を飲んでおられる方は葉酸が不足しやすいことがあるため、先生に相談してみてください。
3) カルシウムについて

カルシウムは言わずと知れた、骨の主成分です。赤ちゃんの骨を形成するためにもカルシウムは重要です。また妊娠中にカルシウムが不足することで、妊娠高血圧症候群という怖い病気になるリスクが上昇することも知られています。
実は多くの日本人女性はカルシウムの摂取不足なんです。妊娠中はカルシウムを1日660 mg摂取することが推奨されているのですが、日本人女性は平均して1日350-400 mg程度しかカルシウムを摂取できていません。つまり必要なカルシウムの60%程度しか食事から摂取できていないということなんです!
食事からのカルシウム摂取量を倍増させるのはなかなか難しいと思うので、サプリメントに頼るのもいいでしょう。
4) 鉄について

読んでくださっている方の中には、妊婦健診の時に先生から「貧血になっていますね、鉄剤を出しておきますね~」と言われた方もいらっしゃるかと思います。
鉄は赤血球という、血液中の最も重要な成分を作るのに欠かせない栄養素です。妊娠中は多くの方が鉄不足になり、赤血球が作られなくなることで貧血になってしまいます。貧血が続くと、早産のリスクや赤ちゃんの発育が緩やかになってしまうリスクが上昇してしまいます。また、妊娠中~産後の貧血はマタニティーブルーや産後うつのリスクになってしまうことも知られているんです。
鉄もまた、日本人女性の摂取量が不十分と言われています。妊娠初期には鉄を1日13 mg、中期以降は19 mg摂取することが推奨されているのに対し、日本人女性は平均して1日約6 mgしか鉄を摂取できていません。つまり、必要な鉄の1/2~1/3しか食事から摂取できていないということです。
いざ鉄不足が進み貧血になると、産婦人科の先生から鉄剤が処方されると思います。その前に予防として、食事やサプリメントから鉄を意識的に摂取してあげるといいですね!
5) ビタミンB6について

ビタミンB6はあまり聞き馴染みがない方も多いかと思います。簡単に言うと、ビタミンB6は食事から摂取したたんぱく質を私たちの身体が使いやすい形に作り変えるために必要となる栄養素です。さらに重要なことに、ビタミンB6はつわりの症状を改善させてくれることが知られているんです。
妊娠さんは、1日にビタミンB6を1.4 mg摂取することが推奨されています。実際の日本人の平均摂取量は1日に約1.1 mgであり、比較的推奨量に近い量を食事から摂ることができています。ただつわりの症状を軽減させるためには、1日に10~25 mgを摂取することが必要とされています。つわりの時期はそもそも食事摂取が難しい時期ですので、とてもじゃないけど食事だけで十分なビタミンB6を摂取することはできません。
妊娠中期や後期には必ずしも必要ではないですが、特に初期のつわりがつらい時期は期間限定でもビタミンB6をサプリメントから補充することを検討してみてください!
6) 栄養素はとればとるほどいいの?

ここまで聞くと、栄養素って足りないものがあったら怖いからいっぱい摂取した方が安心!って思っちゃいますよね。実は栄養素の取りすぎは意味がないどころか、赤ちゃんにとって悪影響を及ぼすこともあるんです。
例えば今回の記事で最初に触れた葉酸は、毎日5000 μg(=5 mg)以上の摂取を続けると赤ちゃんが生まれた後に運動神経の発達が遅れてしまうことがあると報告されています。そのため葉酸は、多くても1日に900~1000 μgまでにすることが推奨されています。またビタミンAなどの一部のビタミンは、過剰摂取によって赤ちゃんの形態異常を起こしかねないと言われています。
でもご安心ください!普段通り食事で栄養を摂取して、追加でサプリメントを用法通りに飲むくらいなら過剰摂取になることはありません。くれぐれも、いっぱいサプリメントを飲んだらその分体にもいいというわけではないということだけ知っておいてください!
7) おすすめのサプリメントは!?

とはいえ、過剰摂取はダメって言われちゃうとどんなサプリメントを買えばいいか不安になっちゃいますよね。
繰り返しになりますが企業案件とかではないので、あくまで有名で入手しやすく、かつ成分を見たうえでこのサプリメントはオススメしてもよさそうだなと思ったものを紹介してみますね。
審査基準は以下の通りです!
- 葉酸・カルシウム・鉄・ビタミンB6が適切な量含まれているか
- 過剰摂取に気を付けるべき栄養素が多量に含まれていないか
見事審査をクリアしたサプリメントを3つご紹介します!!
- バイエル薬品『エレビット』
- アサヒグループ『Dear Natura 葉酸×鉄・カルシウム』
- 株式会社ファンケル『鉄&葉酸』

これらの3つのサプリメントは、先ほどお伝えした4つの重要な栄養素が適正量含まれています。またつわりの時期に欠乏しやすいビタミンB1が含まれていることも追加でオススメしたいポイントですね。妊婦健診をしていても内服している方が多いものばかりで、用法用量を守って内服すれば安全性が高いサプリメントと言えるでしょう。
もちろんここに書いていないサプリメントでも有用なものはたくさんあると思います。気になるサプリメントがある場合はご担当の先生に聞いてみるか、コメントで僕に聞いてみてください!!
8) 今日のまとめ
長々と読んでくださってありがとうございました!
ここまで読んでくださったかたは、記事の最初に書いた「葉酸は妊娠前からサプリで補え!カルシウムと鉄、ビタミンB6も補ってあげてもいいかも!他はバランスのいい食事から!!」という意味を分かっていただけたかと思います。
今後の記事で、じゃあバランスのいい食事ってなんなの?というところもお話しできたらと思います!わかりづらかったこと、追加のご質問等あればお気軽にご質問くださいね!!
[…] 先日の記事、『妊娠中に飲んだ方がいいサプリメントってあるの!?』には具体的におすすめしたいサプリメントも書いてあるので、ご参考になさってくださいね! […]