こんにちは!
4月になりましたね。新生活がスタートする方も多いのではないでしょうか。
僕自身もこの4月に転勤があり、700 kmの大移動をしたところです。
暖かくなってくると、外出や旅行もしたくなってきますよね。
妊娠中に旅行ってちょっと不安、、
でも子供が生まれたらなかなか行けないところもあるし。。
ということで今回は、妊婦さんの旅行についてお話していきます。
今日お伝えしたいこと
結論を先にお伝えすると、「旅行はダメではないけど注意点きゃいけないことも!心置きなく楽しむためにもマタ旅チェックシートを活用してみてね!!」です。
ではお話ししていきます。
そもそも旅行ってしていいの?
色々なサイトをみていても、実にいろいろなことが書いてありますよね。
実は妊婦さんの旅行について、一定の決まりはないんです。
なのでご担当の先生や妊婦さんの状態・環境によっても結論はまちまちでしょう。
逆に言うと、特定の状態を除いては旅行はダメではありませんし、むしろリフレッシュという意味でもいい効果もいっぱいあります。
妊娠中だからこそできる体験、感じられることもきっとたくさんあるでしょう。
私からは、あくまで一般論として普段妊婦健診でお話ししていることをまとめてみますね。
いつの時期に旅行するべき?
よく「安定期」に旅行するべきという話を聞きますよね。
安定期と言われるとなんとなく安心して活動できる時期という気がしますが、実は医学的に安定期と言われる時期はありません。
ですので、どの妊娠時期でもその時期に即したリスクがあり、その時期に即した準備があることを忘れてはけません。
ではその中でも、比較的リスクの高い時期・低い時期をご紹介しますね!
- 旅行におすすめの時期:妊娠16週~妊娠27週
- あまりおすすめしない時期:妊娠12週~16週、妊娠28週~31週
- 旅行を避けてほしい時期:~妊娠11週、妊娠32週~
まず妊娠12週未満は、つわりの症状が強く出やすく、せっかくの旅行を楽しめないどころか無理して動いてしまい余計に体調が悪くなってしまうこともあります。
また妊娠12週未満は、妊娠全体を通じて流産に至る可能性が高い時期です。
流産の原因がお母さんの行動であることは少ないですが、とはいえもしものことが起こってしまうと、どうしても「あの時旅行しなければよかったのかな」という気持ちが残ってしまうことでしょう。
何かがあったときにご自身を責めるような気持が芽生えることのないよう、この時期の旅行は原則おすすめしません。
妊娠12週を超えるとつわりの症状も落ち着きいてくる方が多く、また流産の確率も低くなってきます。
ただ、胎盤が完成する妊娠16週まではそれ以降に比べるとまだ流産や性器出血の確率が高いです。
なるべく妊娠16週以降の旅行が望ましいでしょう。
その中でも、特に妊娠18週以降で健診を1回受診した後の方がより安心感は高いかもしれません。
というのも、産婦人科では妊娠18週~24週のタイミングで経腟超音波検査を行い、現時点で早産リスクが高くないかどうかをチェックするからです。
お腹の張りや出血などの症状がなければ必ずしも旅行前に経腟超音波検査を行う必要はないですが、診察してもらったうえで今の時点でリスクが高くないと言ってもらえるとより安心ですよね。
妊娠28週を超えると、いわゆる妊娠後期に突入します。
妊娠後期になるとおなかが張りやすくなってくる時期であり、また腰痛や恥骨痛などのトラブルも強くなってくる時期です。
妊娠28週以降、特に妊娠32週以降はなにかがあってもすぐに病院を受診できる環境に身を置くことが重要ですね。
旅行先や旅行の内容で気を付けることは?
では旅行先選びや、旅行中にどんなことに気を付ければいいかについてお話します。
注意してほしいポイントを以下に挙げてみます。
- 何かあったときにすぐに受診できる医療機関がある
- おなかに圧迫を受けない
- 感染症に暴露するリスクが高くない
- いつでも座って休憩できる
- ずっと同じ姿勢でいない
まず、海外旅行はあまりおすすめしないです。
食べ物や生息する動植物の違いから思わぬ感染症のリスクがあるうえ、何かあったときに医療機関を受診した際、妊娠経過などを伝えるのも非常に困難となります。
医療保険も効かないため、医療費が思わず高額になることも多々あるでしょう。
もともと住んでいた、など勝手をよく知っている場所であればNGではないですが、妊娠中の今行かないといけないのかは再度よく考えてみてください。
山や海などの自然と触れ合うアクティビティーにも注意は必要です。
サーフィンやシュノーケルなどのマリンスポーツは、どうしてもおなかに負荷がかかりうるため原則妊娠中はお休みしましょう。
山登りについても、お腹が大きくなっていると普段だったら何でもない道で思わず転倒してしまうこともあります。
詳しくは今後妊婦さんの山登りについての記事を書くのでそちらを読んでいただければいいかなと思いますが、普段から山登りに慣れておられない方は平地でのハイキングへの変更を検討してみてください。
温泉について、実は妊娠中に温泉に入ることで妊娠に悪影響を及ぼすことはないということが分かっています。
ただし何も気にせず入浴してもいいというわけではなく、以下のことを守ってくださいね。
- 床が滑りやすいので転んでおなかを打たないように注意すること
- 空腹時や食後すぐの入浴は控えること
- 入浴前にコップ1杯程度の水分をとって脱水にならないように気を付けること
- 誰かと一緒に入浴すること
- お風呂につかる時間は5~10分くらいに留めること
また旅行のスケジュールのたて方にも注意してください。
妊娠前のつもりで予定をたててしまうと、予定に追われてしまい思ったように楽しめません。
特に予約が必要なイベントは、時間に余裕をもってください。
また旅行の予定を立てるときにはあれも食べたい、これも食べたいとなってしまいますよね。
妊婦さんは消化がゆっくりなので、つい食べ過ぎてしまうとその後の行動がしんどくなってしまいます。
妊娠中は食べたいものも厳選しておきましょう!
移動手段は?飛行機には乗ってもいいの??
飛行機移動に関して、気圧の変化や放射線などによる赤ちゃんへの影響は基本的にありません。
ただし飛行機に乗っている間に陣痛がきてしまったり破水してしまうのは非常に危険です。
JALやANAの国内線では妊娠36週以降の搭乗には診断書が必要とされていますが、航空会社や旅行先によっても妊娠週数ごとの対応は異なるのでよく確認しておきましょう。
また飛行機の中は狭く、ずっと同じ姿勢をとり続けないといけないことがあります。
妊婦さん、特につわりのしんどい妊娠初期や妊娠後期の方は、同じ姿勢でいると血管の中で血が固まってしまう、いわゆる「エコノミークラス症候群」を来たしやすくなっています。
1時間に1回は、歩いたりふくらはぎを軽くマッサージするようにしてください。
またエコノミー症候群は脱水になるとより起こりやすくなってしまうため、水分をこまめに摂取するようにしてくださいね。
移動しやすいよう、座席は通路側でトイレに近い位置を予約することをお勧めします。
車移動や電車移動でも同じくエコノミークラス症候群のリスクがあるので、同様に定期的な足のマッサージや水分摂取を意識してください。
また、トイレに行きたくなったり気分が悪くなってしまったときにすぐにお休みできるようなるべく渋滞が予想される場所、時期の車移動は控えるようにしましょう。
旅行先に持っていくべきものは?
旅行に絶対に持っていってほしいものは以下の4つです。
- 母子手帳
- 健康保険証
- マタ旅チェックシート
- 今飲んでいるお薬
母子手帳と健康保険証は、旅行先でどうしても病院を受診しないといけなくなった際に必須になります。
ただ母子手帳には、産科の先生が本当に欲しい情報がすべて書いてあるわけではありません。
そのため今回は、僕が独自で使用している「マタ旅チェックシート」を載せておきます!
このチェックシートを使っていただけたら、最低限産科の先生がほしいであろう情報がまとまっています!!
また必須ではないですが、おなかを冷やさないように腹巻を準備したり、移動中や夜間にリラックスできるようにスリッパやマタニティー用の寝巻を持参したり、何かあったときに備えてナプキンを持って行っておいてもいいかもしれないですね。
マタ旅チェックシートをご活用ください
先ほどもお話しましたが、マタ旅チェックシートは僕が独自で作成しているものです。
ですが母子手帳とあわせたら最低限必要な情報は受診した先生にお伝えできるかと思います。
また旅行先で困ったときにどこの病院を受診すればいいかなどあらかじめ調べておくと安心なこと、旅行の持ち物や旅行前に確認しておくべきこともチェックリストにしてまとめてあります。
つまりマタ旅チェックシートをあらかじめ作成することで、自然と妊婦さんが旅行するのに準備すべきことが完了し、まとめておくべき情報もまとまるという優れものなんです!
記事の最後にPDFを貼っておくので、ぜひ印刷して活用してみてくださいね。
今日のまとめ
今回もすごく長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
今日の「旅行はダメではないけど注意点きゃいけないことも!心置きなく楽しむためにもマタ旅チェックシートを活用してみてね!!」というお話、納得していただけたでしょうか。
十分に注意して準備したうえで、今しかできないマタニティー旅を楽しんでくださいね!